2009年11月30日
風は
風は
きのうやあしたのすきまから
ふいてくる
いろとりどりのろうそくの火を
はこびながら
風が
音をたてているのではなく
あれは
物たちのよろこびの声だ
よろこべば
物はみな
風のように旅ができる
炎の旅だ
ぼくは風のかげで
いつも風のまねをしている
風のことばは
雲の群の足音
あるいは走るけものの耳
にじみあがる夜明けの海のうねり
さけんでるさざえの帆
あるいはあえぎあえぎ夜を
もちあげつづけてる
樹木の骨
稲びかりする声のない声
風は眠れない
風の踊る手は
火をつける
ぼくも火をつける
みえない火事だ
世界の淵へむかって
静かな炎が
チカチカ
ひろがってゆく
はじめまして。とつぜんのコメントをお許しください。
私は昨年、ある古本市で「ユリイカ」の1979年、作品総特集を偶然手にし、靎見様の詩に出会いました。
「声」と云う作品。
てんとう虫は
自分の声を
さがしています
この詩を声にして読んだときのことは今でも忘れません。
何度読みかえしたことでしょう。
恥ずかしながら私も詩を描かせていただいております。とは言っても、こっそりひっそりとでございます。
靎見様の詩にもっとたくさん触れてみたい、風に触れてみたい。と思う私の願いが今日、叶ったのでございます。
なんて、なんて素晴らしいことでしょう!
てんとう虫はくるしいのです
この部分に声がくると私は何故かしら声が、心が「ぐぅぅ」となってしまいます。
何故でしょう。本当に、何故かしら…。
たびたびこちらのサイトにお邪魔するやもしれません…。
てんとう虫よりももっとあしあとは小さいかもしれませんが、とことことやってきます。
はじめてのコメントなのに長々と失礼いたしました。
とても感動しております。
緑川さん、こんにちは。
『声』
てんとう虫は
自分の声を
さがしています
S54.10.3の作。
僕が生地東京を離れ、淋しく不安な日々を懐かしく思い出します。
『てんとう虫(天盗虫)』からイマージュがひろがっていったと思います。
作品を通して心のふれあいができるなんてとても嬉しいことですね。
H22.4.15 大分にて
お返事のコメントをありがとうございます!…しばらくパソコンの調子が良くなくて久々のログインで。。。
てんとう虫…天を盗む虫…天盗虫
人間の靴をはいたのですね…。
また声に出して読んでみたいと思います(^-^)