2009年11月30日
ひとつの道
一杯のコーヒーのなぐさめに
たえねばならない
底知れぬ海の重さ
立ちはだかる山のしずけさ
降りしきる空の虚しさ
たえねばならない
だれだ だだっ子のように
泣いているのは
すべては
やってくるのだ
あの内部から
ひとつのみちから
ひとりでゆくみち
一杯のコーヒーのなぐさめに
たえねばならない
底知れぬ海の重さ
立ちはだかる山のしずけさ
降りしきる空の虚しさ
たえねばならない
だれだ だだっ子のように
泣いているのは
すべては
やってくるのだ
あの内部から
ひとつのみちから
ひとりでゆくみち
花火は
闇に甘えている
闇は
性懲りもなく
花火を掴みそこねている
闇と花火
どちらが奴隷だ
闇の襞をひき裂いて
血に濡れながら
私達子供は
生れて来たのではないか
遠く歓声があがる
まぬけな大砲が鳴っている
闇には
闇の腹腸(はらわた)から絞り出す
闇の花火が
あるのではないか
秋の光がビーズの音をたてる
山雀(やまがら)がないている
窓を
蜜蜂の羽音が
出たり入ったりしている
風がたくさんの手を出して
床屋さんのように
秋の庭の手入れをしている
川砂のみちも
さっぱりかわいて
新しい海苔巻の匂いがする
あちらこちら
大切なことばが
みえない鏡になって
散らばっている
あめは なにを しに くるか
なにも しには こない
ただ ひとすじの
えいえんの みちを
かけて くるのだ
さようなら さようなら
あめの ことばが きこえる
かぎりない むなしさを ふりおとしながら
うれしげに かけてくる
あゝ だれひとり
この たあいのない
やさしさを
まねする ことが
できない