8

庭の花々が

枯れてゆく

きみが通ったあとなんだ

いいものはみな

きみが

ひろってゆく

 

ぼくは

きみが落した

魂のしみを

ひろってゆく

カテゴリー: 空のエスキス — admin 23:07  コメント (0)

18

なにもうつらぬ

鏡か

 

みるだけか

 

ただ

ひかっているだけか

 

さびしくは

ないか

 

なにかものをいってみたくは

ないか

 

だが

おれたち

どっちが

牢獄なんだ

カテゴリー: 空のエスキス — admin 22:57  コメント (0)

16

空は

毛をむしられ

皮をはぎとられ

おまけに

声も

とられ

それでも

やすみなく

地上をたがやしている

あらゆる物や人を

その清らかな血潮で

あらっている

カテゴリー: 空のエスキス — admin 22:54  コメント (0)

9

ほんのり

紙きれが

落ちていた

そっと

裏返してみる

なんとゆう

まばゆさ

夕映えの空に

ひなあられのような

ぼくの渡り鳥

ふるえながら

飛んでいた

 

カテゴリー: 空のエスキス — admin 22:52  コメント (0)